インタビュー・会議音声処理のためのお役立ち情報
- 発言録の役割
- 発言録の作成方法
- 発言録のフォーマット
市場調査手法の中で、グループインタビュー・デプスインタビューは定性調査手法に位置づけられます。 定性調査とは、調査結果が質的なデータ、つまり言葉や文章となる調査手法のことです。 一方、調査結果が数値や統計データで表される調査手法のことを定量調査といいます。 一般的に定性調査手法は少人数に対して、1人あたりに対して長時間かけて行われるため、アイデアだしや仮説設定など課題解決プロセスの前半に有効とされています。 定性調査手法がこのような特性を持っているために、グループインタビューやデプスインタビューにおける発言録は、調査のアウトプットとして非常に重要な役割を占めています。 グループインタビューやデプスインタビューを用いた調査では、一般的に全てのインタビューをまとめたレポートが主要なアウトプットとなりますが、発言録はそのインプットとなります。
グループインタビューやデプスインタビューにおける発言録は、通常次の2通りの方法で作成することができます。
@書記担当が直接インタビュー内容を聞いて作成する
Aインタビュー音声を録音し、インタビュー終了後、音声を文章に起こす
それぞれの方法でメリット・デメリットがありますが、インタビュールームで行われる市場調査インタビューでは@が通常用いられます。 @、Aともに費用面では大きな違いはありませんが、その場で発言内容を記録していく@の方が良い品質のものが得られます。 一方、書記担当が作業をするスペースの確保が難しい訪問インタビューや屋外のインタビュー、できるだけ参加人数を制限する必要のあるデリケートな内容を聞くインタビューなどにはAの方が適しています。
発言録のフォーマットは場合や好みにより様々ですが、比較的多く目にするものは横に対象者が並び、縦に時系列の質問項目が並ぶものです。 このフォーマットの良いところは、意見を述べた対象者と、発言の前後関係が明確に分かることです。 また、インタビューの流れが事前に決まっている場合はあらかじめ質問項目を用意しておくことができるため、書記担当はインタビュー中により対象者の発言に注意を傾けることができます。